『PINK BLUE ピンク＆ブルー プロジェクト』、本日発売です。

ピンク色の服やおもちゃに埋め尽くされた部屋に、やはり全身ピンクの出で立ちの女の子。まずはこの迫力の写真を見てください。ちなみに、裏表紙はブルーが溢れる男の子の部屋です。

女の子はピンク、男の子はブルー。当たり前のように与えられるその2色は、本当に子どもたちが選んだもの？成長とともに部屋の色が変わっていく様子は、ジェンダーと色の関係を視覚からはっきりと感じられます。

本書は『안녕? 나의 핑크 블루 (Hi, My Pink&Blue)』（写真ユン・ジョンミ、文ソ・イオン）の日本語版です。韓国の写真家ユン・ジョンミ さんが長年取り組んでいる子ども部屋を撮影する「The Pink & Blue Project」を写真絵本として出版されたものを、昨年見つけ、刊行する運びとなりました。ただ、そこで初めて知ったのではなく、何度目かの出会いで運命を感じてしまった、といいましょうか…

この写真を初めて見たのはずいぶん前、５〜６年前くらいだったと思います。海外ニュースのSNSか何かでこのピンクとブルー満載の写真が流れてきて、目が釘付けになったのを覚えています。

次に出会ったのはそれからさらに数年、初めて韓国書籍の翻訳を出し、関連書の取材でソウルに行った2019年のこと。「性平等図書館」という施設を訪ねたとき、この写真が額装されて展示してあったのです。

大きなプリントで、大迫力。作品の力を感じました。あの時の写真はこれだったのか、韓国の人の作品だったんだ、とこの時初めて知りました。

そして2022年の日本。Visiting Korean Book Fairという韓国の出版社が来日して開催された商談会で、この本が紹介されていたのです。出版されてまだ1年ほど、そしてここでまた出会ってしまった…これはやはり呼ばれているのでは…と、刊行を決意したのでした。

 
日本版翻訳は小山内園子さん、デザインはloneliness books潟見陽さん。実はかなり悩んだタイトル、装丁まわりで相談させてもらい心強かったです。潟見さんには、以前このプロジェクトについて言及されていた、と写真研究者の小林美香さんを紹介いただき、日本版の解説をお願いしました。

先日、東京レインボープライド2023で先行販売しましたが、表紙を見て、ページをめくって、すごい、おもしろい、とたくさんの方が手にとってお買い上げいただきました。
目で見てわかる、感じる、ジェンダー。そんな経験をぜひ本書で味わっていただければと思います。よろしくお願いいたします！

（宮川）