お知らせ

【新刊】『生きるためのフェミニズム パンとバラと反資本主義』発売です 

(2021/7/30)

堅田香緒里『生きるためのフェミニズム パンとバラと反資本主義』、本日発売です。

告知を始めて約3週間、反響の大きさに正直おどろいています。先鋭的なテーマ、強めの論旨、初めての単著となる著者…挑戦ではあるなと思いながらの本だったので。しかしこの反応は、この国の現状に対しての、不満、疑問、怒りの表れなのでしょう。今この本を出すことの意義を、あらためて実感しています。

カバー帯あり_生きるフェミ_0708

 

本書は、雑誌『仕事文脈』での連載「さわる社会学」がきっかけになって生まれたものです。提案してくれたのは『あたらしい無職』の丹野未雪さん。これまで栗原康さん、山下陽光さん、櫛野展正さんなどいわゆるアウトロー…いやオルタナティブ?な人たちを紹介してくれましたが、堅田さんもこの丹野ラインといえましょう。

連載に先立ち掲載した「〈活〉という名の妖怪と〈魔女〉の物語」(vol.10、2017年11月)は女性活躍社会批判とドイツの女性デモレポート、研究者ながら現場に立ち、そしていきいき書かれていてまさに『仕事文脈』で読みたいやつ!と感じました。連載でも路上生活者、再開発=ジェントリフィケーション、スクウォッティング、世界各地の抵抗運動、さらにそれらと家父長制の関係、差別の交差性など、あたらしい概念を次々紹介していただいて本になるのが楽しみ〜と読んでいました、一読者として。

連載が終了し、他に収録する原稿を揃えて、あとはまとめるだけ、とはならないのはいつものこと。ただこの本は特に、ここからが…それは編集作業が昨年の、まさにコロナが始まった時期ということもあるでしょう。
現状を反映した原稿の加筆、その新原稿をふまえての構成、タイトルの再考。タイトルはほぼ決めたつもりで先月までそれで進行し、最終的に今のタイトルに決まったのが、今見たら6月9日でした。著者堅田さん、編者丹野さんと長々オンライン会議しても決まらず、一晩考えてなんとかここにたどり着いた…。詳細は省きますが、堅田さんの「もう、パンとバラしかないんです」という主張に、そこをふまえて考え直してみたのが現タイトルです。

堅田さんは強い信念があり、そして人望というか人情にあつい人。評判の表紙の刺繍、フェミニスト手芸グループ山姥さん、デザイナーの百﨑ゆうさん、作品撮影をしてくれたご友人、すぐ電話してニコニコと依頼する堅田さん、もしかして魔女なのかもしれませんね!

「私たちはみな、資本主義という恒常的な災害の被災者である」、たびたび引用しているこの一文に何かを感じた方に、ぜひ手にとっていただきたい1冊です。なにとぞよろしくお願いいたします。(宮川)

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献本作業をがんばる魔女、堅田さん

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魔女になろう!

 

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