お知らせ

【新刊】『生活考察vol.08』発売です 

(2021/12/22)

2年振りとなる『生活考察』、Vol.08は本日発売です。

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昨年(2020年)は、日記アンソロジー『コロナ禍日記』(タバブックス)を刊行したのみで、この雑誌の方はお休みに。コロナでこれまでの日常が激変してしまったことで、今「生活」というテーマで雑誌をやるにはどうしたらいいのか?というところで思考停止状態に陥ってしまったのが原因です。

じゃあ、何か新たな方向性が見つかったのか、といえば、それほど確固たるものはないのですが、弊誌なりに「今」をまっすぐ見つめる——ということを愚直にやってみた結果が、この一冊なのではないかなと思っています。

お待たせした代わりに、たいへん充実した内容になりました。表紙イラストは、『かけおちガール』『姉の友人』などで知られる人気漫画家・ばったん先生による描き下ろし。豪華連載/執筆陣による最高なエッセイがてんこもり。通常号より100ページ近く増量した、入魂の一冊です。
詳しい内容は、以下をご覧ください。


【寄稿】
乗代雄介 オリジナルな霊気を訪ねて
高野秀行 生活は万事塞翁が馬
樋口恭介 欲望・執筆・生活
酉島伝法  室内雨天
春ねむり おばあちゃんの愛は海よりも辛い
北村みなみ 重力と共に生きる
早助よう子  布団
三田三郎 酒の飲み過ぎによって私が恐れるようになった3つの質問
ひらりさ 今日も行き先不明
小指 共依存生活
柴崎友香 シカゴの消防士の生活考察
イサヤー・ウッダ わたし滅私の話

【連載】
円城塔 かきものぐらし 第8回「食べ物暮らし」
大谷能生 ディファレント・ミュージックス 第8回「アンダー・プレッシャー」
春日武彦 文章秘宝館 第3回「瓶や猿や馬や猫」
小澤英実 「あたし、この戦争が終わったら……」第8回「ホーム・ステイ・ホーム」
佐々木敦 普段の生活 第8回「小説を書いてみた普段の生活」
林哲夫 好きなことだけして暮らしたい 第8回「キューガイ・カカンキ・ペスト・オンザロード」
海猫沢めろん めんどくさいしどうでもいい 第8回「痴呆」
栗原裕一郎 おまえたちはベイビーズ 第1回
岸本佐知子 もにょもにょ日記 第3回
速水健朗 都市生活者のためのアーバン・ミュージック・ガイド 第7回「カウンターカルチャーと『R&B世界』についての考察(または、ヒッピー対ジョージ・ベンソン最終戦争論)」
福永信 日付と時間のある文章 第8回「続続・余の過ごしたるコロナ禍の日日」

【日記】
『コロナ禍日記』、一年後

2020年刊行『コロナ禍日記』から1年が過ぎ、私たちの生活はどう変わり、どう変わらなかったか?作家、漫画家、店舗経営者……日本、世界各地で暮らす十数名が、コロナ禍数ヶ月の日々を記録し注目を集めた日記アンソロジーの続編企画。
辻本力、楠本まき、円城塔、谷崎由依、香山哲、木下美絵、福永信、ニコ・ニコルソン、西村彩、大和田俊之、中岡祐介

【ルポ・インタビュー】
失われた“雑談”を求めて 辻本力(本誌編集人)

人的接触の激減したコロナ禍—— 。失われた日常の“ちょっとした” コミュニケーションを求めて、人々に雑談を仕掛け続けた数か月の記録。30余名が語る、バラエティ豊かな「コロナ以降の新習慣」を一挙紹介。

吉田薫、伊藤暁里(Taiko Super Kicks)、宮崎智之、矢野利裕&スズキロク、濱野ちひろ、柿内正午、友田とん、はらだ有彩、松波太郎(豊泉堂)、山口伸雄、鳥澤光、山野正徳&山野友美恵(かえる食堂)、樋川まゆみ(大塚まるま)、柴垣光良(焼鳥 とりねこ)、森田真生、小川さやか、穂村弘、枡野浩一、恋幟モンゴロイド(Vampillia、VMO)、九龍ジョー、滝口悠生、磯部涼、佐々木貴江×中本美恵×林カケ子、越湖吾一 (トラノココーヒー)、山下賢二(ホホホ座)、豊崎由美、成松哲、butaji


昨年刊行した『コロナ禍日記』の続編を収録したこと、コロナ以降の生活の変化について30人以上に話を聞いた「失われた“雑談”を求めて」という企画をやったこともあり、なんとなく『コロナ禍日記』的な方向性を総括したような内容になっているように思います。

とはいえ、けっこう違いもあります。『コロナ禍日記』の時は、未知なる状況への戸惑いや恐れが主たるテーマになっていました。しかし、コロナとの生活が始まり約2年の月日が経った今、執筆者らの言葉からは、徐々に共存するような在り方や、自分なりの新たな生き方を模索・思考しようとする意志のようなものを感じます。

今回、帯に「それでも、生活の積み重ねは続く」という言葉を入れました。
とりあえず、どうあっても続けていかなければならない「生活」というものを前に、私たちができるのは、まずは考えること、そしてそれを積み重ねていくことしかないのではないか——そんな予感めいたものがあります。考えることで、なんとなく流れていってしまう1日1日を、確かな手応えのあるものとして実感し、把握し、積み重ねる。積み重ねることで、少しでも強固な、厚みのあるものにする。その先に、今よりもちょっとも豊かな在り方がイメージできれば、なんとかやっていけるのではないか、と。この雑誌が、個人のそうした営みの一助になれば嬉しいです。
よろしくお願いします。

(編集人 辻本力)

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