餅井アンナ『へんしん不要』発売になりました。

心も体も防御力低め、四季折々の不調にやられ、落ち込みがちな日々をつづり、宛先のない手紙を書き続けた二年間。書くことで見つけた、あたらしい景色と生きる自信。不安な時代に向き合う姿勢に、希望を感じる１冊です。
タバブックスのweb連載「へんしん不要」を加筆修正、書き下ろしやコラムも加えて本になりました。

著者餅井アンナさんと出会ったのは…いつだったか…思い出せないほど前ですね！
やはりwebで連載してくれてたトミヤマユキコさんが、教えている大学のZINEを作る授業ですごくいいのがあったと教えてくれたのが、餅井さんの『食に淫する』でした。ビジュアルもデザインもサイズも、大学生が授業で作ったとは思えない完成度でびっくり。その後文学フリマで出店者として何度か会ったりしたので、大学生とはいえ同業者、みたいに感じていました。

そして大学を卒業したけど就職しないというので、アルバイトを少ししてみないか、という話になぜなったのか記憶が曖昧ですが、とにかく週に1回事務所にバイトに来てもらってた時期がありました。無理せずときどきお休みしながら、でもwebやSNSに強いし仕事が丁寧なので、とても助かりました。その頃の功績はなんといってもタバブックスのメルマガシステムを確立してくれたことですね！ありがとう餅井ちゃん！

と、ちゃん付けで呼んでいた頃、何か書いてみたいと提案してもらったのが「へんしん不要」でした。本の表紙イラストをお願いした、のむらあいさんにバナーイラストを頼んだり、途中少し企画を修正するなど、書き手ながら編集者でもあった餅井さん。今回本にするにあたって、すべての原稿を加筆修正して、全体を通して一貫した、芯のあるエッセイに仕上げてくれました。弱さ、苦しさに向き合って2年間過ごして得たものを、読んでいるこちらも一緒に体験するような読み心地。読み終わったあとには、すがすがしさも感じます。

本になるにあたって、ネット通販になにか特典をつけるといいかもと軽く言ったら、めちゃがんばってかわいいお手紙セットを用意してくれました！封筒に、へんしん不要のスタンプを1枚1枚ていねいに押す著者…そういえばアルバイトの最終日にやっってもらったのが発送用の封筒に住所印を押す仕事だった…2年間で、バイトちゃんから作家さんになったけれど、仕事への向き合い方は変わらず。本文にもありますが、「何もできない、何でもできる」餅井さんです。

アルバイト時代のスタンプ作業（再現）

著者制作・押印のへんしん不要スタンプ

そんな餅井さんからのお手紙。自分でも誰かに手紙を書きたくなるような本です。ぜひ、お手にとってみてください。よろしくお願いいたします！

(宮川)