お知らせ

【新刊】『失われた賃金を求めて』発売です 

(2021/2/16)

『失われた賃金を求めて』(イ・ミンギョン 著 小山内園子・すんみ 訳)本日発売です。

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『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』ですっかり日本にもおなじみになったイ・ミンギョンさんによる、男女の賃金格差をテーマにした本です。

「韓国で、女性がもっと受け取れるはずだった賃金の金額を求めよ」。刺激的なことばから始まる本書は、この勢いのままに、昇進、雇用条件、就職、進路選択などの場面ごとに男女の賃金格差がどのように生まれているか、徹底的に追求しています。バッサバッサと不条理な格差に斬り込むミンギョン節がますます冴え渡り、スカッとすること請け合いです。翻訳は前著と同じく小山内園子さん、すんみさんコンビ。独特のミンギョンさんの文章を、うまく日本語に乗せて伝えていただいています。

この独特なスカッとする読み心地は、文章の魅力ともうひとつ、本の構成によるものだと感じます。読み始めると、賃金格差を考えるのにトップエリートの事例をまず挙げています。そこから、昇進、能力考課、性別役割分担、家事労働、就職、進路選択、そして子ども時代といわば上から下、大人から子どもへと人生をさかのぼって女性の置かれている状況を描いているのです。なぜエリートに女性が少ないのか、そこに行くまでに何が起きているのか、あらゆる格差の要因が次々と浮かび上がってくる。終盤の進路選択、子ども時代にたどり着く頃には、経験してきたことの意味、失われてきた理由に気づかされます。突っ走っているように見えて、巧みな組み立て…制作中、訳者2人と「恐ろしい子…」と話していたのでした。

タバブックスからイ・ミンギョンさんの本は2冊目、韓国の出版社ボムアラム刊行の本は3冊目の翻訳出版になります。この本の概要をもらった日付を見ると2019年2月26日、最初の『私たちにはことばが必要だ』の刊行が2018年12月13日ですから、2ヶ月後ですね。この2月はボムアラムのメンバー全員が日本にやってきて、トークイベントや取材など忙しくも濃密な数日間を一緒に過ごしてすっかり盟友のようになり、ボムアラムの本どれもいい、何から出そう、とテンション上がったまますぐにこの本を契約したのでした。

 

9B856801-002E-4A57-9E11-EB9B4DC83403 ボムアラムの本『私たちにはことばが必要だ』『夢を描く女性たち』『失われた賃金を求めて』。韓国フェミの背景を検証した『韓国フェミニズムと私たち』は、取材、編集、デザインで全面的に協力してもらいました

 

 

 

 

 

本が出るまでは2年がかりとなりましたが、この間翻訳を何度も真っ赤になる程練り上げ、ファクトチェックと著者への確認作業を『夢を描く女性たち』翻訳者のユン・イキョンさん、エージェントの木下美絵さんの手を借りて行い、日本の事例や比較が入るといいのではと西口想さんに解説をお願いし(「日本で、女性がもっと受け取れるはずだった賃金の金額を求めよ」、すばらしいです)、装丁は『私たちにはことばが~』と同じ沼本明希子さんが、原書の赤シート付き2色印刷を再現しつつさらにカバーに工夫をしていただいて、失われた賃金が浮き彫りになるデザインになり…つまりみんなノリノリで(たぶん)出来上がったのがこの本です!

 

IMG_3853 (上)韓国版、(下)日本版。イラストは原書のまま、カバーデザインはオリジナルです

 

 

 

 

 

 

 

紹介動画も公開中です!

新刊『失われた賃金を求めて』ティザー動画

『失われた賃金を求めて』内容紹介① 1.昇進 止まっているエスカレーター/2.考課 「ふりだしに戻る」と「3つ前へ」/3.同一職級 傾いた床 

 

そして今日、『私たちにはことばが必要だ』の6刷もできました! ジェンダーをめぐる問題が相変わらず解消されず、この本がまだまだ必要とされているのを実感します。昨年末、この原書が韓国で「10年を輝かせた本」フェミニズム部門という賞を受賞したそうです。10年に1冊、やはりあのインパクトは本物ですね。この本を送り出したミンギョンさんとボムアラムの新しい本、『失われた賃金を求めて』もどうぞご期待ください!
(宮川)

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 봄알람 사랑 해요~,연대!!

 

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