お知らせ

【新刊】『仕事文脈vol.22』発売です 

(2023/5/27)

『仕事文脈vol.22』、本日発売です。

vol22書影

今回の特集は、1:NO!論破!、2:通勤は続くの2本です。

特集1では、論破系、冷笑系といわれるものにうんざりして、しかしやり過ごすわけにはいかない、とテーマとして考えてみました。特集2では、全国平均1時間19分、日々時間と体力を取られる通勤について、様々な人の声を集めました。

今回の特集、連載記事をご紹介します。

◎特集1:NO!論破

わたしのミクロな平和活動 碇雪恵

ZINE『35歳からの反抗期入門』が話題のライター・碇雪恵さん。ZINEを作るに至った経緯を振り返りながら、ZINEは論破カルチャーにどう対抗できるのか考えていきます。思考しながら実践し続ける大切さを実感する寄稿です。

ひろゆきとブルシット的虚無 杉田俊介

ひろゆきの「論破」は誰に求められているのか? ルールの裏をかく姿勢を「合理的」と支持する姿勢に対抗できる新たな「合理性」はあるのか? 男性問題と向き合い続けてきた批評家・杉田俊介さんによる論考です。

つながりと感情が武器化される時代に「論破」「冷笑」憎悪から距離を取る 礪波亜希

「つながり」は強みであると同時に、容易に武器化されてしまう脆弱性を持っている。論破や冷笑の広がりをネット空間とのかかわりから考える、礪波亜希さんの論考。小田急線刺傷事件、安倍首相銃撃事件など近年のできごとにも幅広く触れており、読み応えがあります。

Twitterから離れてみる

イーロン・マスクがCEOになって以降、ますます悪化の一途をたどるTwitter。マストドン、Blueskyなどいろんな短文投稿サービスが移行先として注目を集めていますが、ここではひとまずTwitterを「離れた」人たちに寄稿をお願いしました。距離を取ってみて感じたこととは?

座談会「右傾化した父を持っている」について問い続ける

「最近、父親がネトウヨっぽくなってきた気がするんだよね……」。周囲で意外とよく聞くこの問題について考えるため、3名の当事者と匿名座談会を実施。どうすれば伝わるのか? 安易に「ネトウヨ」とラベリングしていいのか? 迷いながら対話を続ける人たちの言葉は、似た状況にある人にとってヒントになるはずです。

小さな差別を聞き流さないことから 『ヘイトをとめるレッスン』読書会

論破的言説は差別やヘイトと結びつくことがあり、あわせて考えておきたいもの。韓国のヘイト問題の研究者、ホン・ソンスさんの著書『ヘイトをとめるレッスン』を扱った読書会イベントでの、翻訳家の植田祐介さん、たなともこさん、『仕事文脈』編集にも関わる小沼理のトークの模様をお届けします。

「思想が強い」と冷笑する前に

政権批判的な主張をすると「思想強い」と言われるけど、これって一体なに? 『世界と私のA to Z』でZ世代の立場から今を読み解いたライターの竹田ダニエルさんによる力強いエッセイ。社会は変えられるという希望、持ち続けていたいです。

「論破」はどこから来てどこへ行くのか〜世界NO論破〜

「世界のNO論破な事例を探してみよう!」からはじまったはずが、根深い論破の歴史を振り返ることに……一筋縄ではいかない企画でしたが、こうした紆余曲折もNO論破の一つな気がしています。

 

◎特集2:通勤は続く

通勤の破壊と想像 丹野未雪

編集部の丹野による通勤体験を書いたエッセイ、後編です(前編はvol.21に掲載)。労働以外のことをする体力と気力を削いでいく満員電車通勤、そのいびつさを個人的な体験を通して綴ります。

空白のビルボードを見つめて 小林美香

都市部を通勤しているとおびただしい数の広告を目にする。あまりにも多くて麻痺しているけれど、ふとした瞬間に広告に囲まれていることに気づいてぞっとした経験がある人もいるのでは。ジェンダー目線で広告を分析する写真研究者の小林美香さんが、広告を/空白のビルボードを見つめながら考えます。

浅草橋・天使の詩 オルタナ旧市街

通勤中にふと見かけた印象的な光景、そこから動き出す他人の人生への想像。3月のある日、バスの中からオルタナ旧市街さんが見た景色とは? 普段は意識しないけれど、通勤中にたくさんの人とすれ違っていることを思い出します。無感覚で過ごしていた通勤時間が少し変わるかもしれません。

アンケート「通勤中の過ごし方」

意外と話すことがない通勤中の過ごし方についてアンケートを実施。他人の生活の一部を覗き見ているような、妙に面白い企画になりました。徒歩、自転車、車、電車など通勤方法もさまざまですが、電車のしんどさが際立ちます。

インタビュー 通勤がなくなった

コロナ禍以降、会社員であっても仕事と通勤がセットではないと気づく機会は多かったはず。さまざまな理由から通勤がなくなった3人の人に、働き方や心境の変化を聞きました。

 

◎連載

仕事回文・18 杉野あずさ・みりんとおさとう

特集に合わせた回文&イラスト。回文も見事ですが、ユニークなイラストと白黒つけない軽やかな一言コメントにも注目を!

男には簡単な仕事・5 有象無象のインターネット言論空間と拙者 ニイマリコ

ミュージシャンのニイさんの連載、今回はバズった経験について。ついつい自分をよく見せようとしがちなSNSだからこそ、自分にとっての自然な文体を探し続けたい。「バズった」が「届いた」と感じられるのは、その思考あってこそかもしれません。

40歳、韓国でオンマになりました・6 ようこそ共同育児の世界へ 木下美絵

韓国で浸透しているという「共同育児」。子どもの健やかな成長のため、親だけでなく隣人や社会組織も積極的に参加して育児を行うというものです。この共同育児、子どもだけでなくオンマの立場からも助かることが多かったそう。ワンオペ育児の対極とも言える共同育児、日本にも浸透するとよさそうです。

虹色眼鏡・14 疲れて眠る チサ/さようならアーティスト

また春がやってきて、また会社を辞めた。きらきらしたフレンズと自分を無意識に比べてしまう。芸術なんかと思いながら、やっぱり表現に魅せられている……24歳になったチサさんのエッセイ。

<聞く>という仕事・9 「関心が薄い仕事」の打開法(私の場合) 辻本力

「なんでも屋」なスタンスでライターを続けていると、関心があまりない仕事を依頼されることもある。「苦手」や「嫌い」はともかく、「知らない」「興味がない」まで断るのはもったいないのでは? 関心がなかったことでも「すごく興味がある」モードに持っていけるようになったという、辻本さんなりの仕事論。

無職の父と、田舎の未来について・22 葛藤と敗北、書けない経験、日々の余裕と楽しく続けていくことについて さのかずや

冒頭で「正直言って全然うまくいかなかった」と書くさのさん。半年というスパンはいろんなことが起こるもので、その前はうまくいきそうに思えていても結果は芳しくなかったりします。それでもこの半年をじっくり振り返ったら、また次の半年へ。

文脈本屋さん・19 SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS

今回の文脈本屋さんは、奥渋エリアに2008年からある書店SPBSさん。最近、これまで大きなスペースを占めていた雑誌コーナーがZINEと個人出版のコーナーに変わったそうです。時代に合わせて変わる書店の姿勢が垣間見えます。

仕事文脈コラム 地獄で生き延びるためのカニクラブ 浪花朱音

巻末コラム、リニューアル第2回目は編集部員の浪花が担当。友人との集まり「カニクラブ」、そこでのおしゃべりは楽しくて、話したい社会のしんどいことが多すぎて、長時間続く。そうして続けることで生き延びている。

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本屋Titleさん
 店主の辻山さん、NHKラジオ第1「ラジオ深夜便」で月1回本の紹介が始まるそうです。

H.A.Bさん
 小説集刊行や、冊子、日記本、ZINE…半年に1回の近況報告広告です!

仕事旅行社さん
 初のご出稿ありがとうございます。「はたらき方ととのう」「サウナのような異業種体験」、気になります。

雑貨と本 gururiさん
 すっかりおなじみになった書店さん。vol.21でのインタビュー記事はnoteでも人気でした!

ミセルくらし PUNTOさん
 茨城県水戸市で本と珈琲、クラフトアイテムを扱うお店。様々な感性が交差する”点”舗、すてきですね。

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