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女性、育児、フリーランス from 滋賀#16 マレーシアに滞在しています 

(2026/3/4)

女性

昨日からマレーシアに入りました。これから3週間ほどペナン島に家族で滞在します。

ペナン滞在の話を夫から持ちかけられたのがおよそ半年前、フリーランスなので真っ先に「そのとき仕事がどうなっているか」が心配になりました。年度末は例年比較的忙しいので、せっかくの仕事も滞在によって請けられなくなるのではないか? この物価高で、ある程度働いてお金を貯めておかないと金銭的にきついのではないか? 夫は現地で仕事があるという前提だからいいけど、こちらはそれなりに調整が必要。どちらか一方の都合に合わせる滞在のしんどさはポーランドで経験しているので、気楽にいいね!とは言い難いものです。

夫の言い分は「いま行っておかないと、こういうことができなくなるかもしれない」でした。長女は春から小学2年生。休日は友だちと子どもだけで遊びたいという欲求も出てきて、少しずつだけど自立しつつあります。家族旅行にいつまで付き合ってくれるのか……学校の休みやすさも考慮すると、低学年のいまのうちのほうがずっといいのはたしか。なにより、日に日に悪くなる日本、世界の状況を見ていると、こんなふうに自由に移動するのは今後難しくなるかもしれない。それには心から同意でした。

振り返ると、3年近く過ごしたポーランドから日本に戻ってちょうど2年後、隣国のウクライナがロシアに侵攻。それからコロナが広がって、円安も進んで、働いても働いても物価高。しばらくヨーロッパに滞在するのは難しいだろうなと思っていました。

アジア圏ならばと思いきや、高市首相の「台湾有事」発言のせいで中華圏への航路も閉ざされつつあると感じます。中華系航空会社の日本発着便の欠航(比較的リーズナブルなのでわたしのような貧乏旅行者にありがたい)や、中国での仕事がキャンセルになったという話をここのところ聞くようになりました。わたし自身も、今回のマレーシア滞在のために予約していた中華系航空会社のフライトのキャンセルがあって、夫とふたり頭を抱えました。結局別のフライトに差し替えできたのだけど、急なことが多すぎるこの状況でいつ何が起こるかわからない。旅行といった個人のごくささやかな行為さえ、権力者によって左右されていると感じます。

そんな話をしていたうちに、イスラエルとアメリカがイランを攻撃して、子どもをはじめとするたくさんの民間人が攻撃されてしまった。その行為を日本政府は「支持」と発言し、9条をふくむ改憲を強行突破しようとしている。マレーシアへと向かう飛行機の中で、もうこんなふうに気軽に旅に出るなんて最後になるかもと思いました。このままいけば、旅行、労働、就学、デモ、ZINEの制作や友だちとのおしゃべりetc、これまで個人の自由と権利とされていたありとあらゆる行為が許されなくなる。なのに戦争は平和秩序のためだとか、自衛だとか、いろんなことばに変えて、容認される。個人の命や尊厳を奪って一体なにが残ると言うのだろうか。批判の声をあげていきたいと思います。

話は変わって、昨晩まちを歩いていたときのこと。中華系の多いペナンでは春節の最終日が祝われていて、至るところで爆竹が上がり獅子舞が舞っています。マレーシアはイスラム教圏なので、大音量のアザーンの音も。あらゆることが日本と違うので、娘の「これはなに?」に一つずつ答えながら歩きました。しんどすぎる状況だけど、自分の知っている世界だけが正解ではない、そんなことが少しでも子どもたちの記憶に残るような滞在にしたいと思っています。

 

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滞在中のホテルから見えるジョージタウンのまちなみ。朝早くから目の前の公園で、たくさんの人がダンス(爆音)を踊っていました

 

(浪花)

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