女性、育児、フリーランス from 滋賀#12 サナみたいにジャケット着用?
(2025/11/12)
先日、社会人になって初めてジャケットを買いました。なぜなら請けた仕事のクライアントから「ジャケット着用でお願いします」と言われたので……。いや1着ぐらい持っておけよとつっこまれそうですが、もはやフリーランスの時期のほうが長くなり、ジャケットをマストとされる仕事は滅多になく、いや今思えばあの現場とか求められてたかもしれないと思い返しつつも、「フリーなんて社名や肩書きの後ろ盾もなく、能力でジャッジされるのが常なのに、ジャケット着用ごときで心象変わったら苦労せんわ」みたいなケッとした気持ちもあり、今日に至っていたのです。
さてそのジャケット必須案件、取材相手はある大手企業の管理職に就く女性でした。女性のキャリアアップ支援のため、さまざまに取り組んでいるという方です。
女性のキャリアアップというと、まず産休・育休の制度を整えて子どもを育てても働きやすくするとか、管理職に積極的に女性を登用するとか、単純にそんなことが思い浮かぶかもしれません。が、その方はまず先に女性の不安感を取り除く必要がある、とおっしゃっていたのが印象的でした。
要するに、これまで多くの企業において管理職や上層部は男性がほとんど。そこに女性が入り込むには、ミスの一つもなく働ききることのできる完璧な存在でなければならないことが多く、男性のように「家庭を顧みず働くが会社に利益をもたらすリーダー」や「うっかりミスとかしちゃうけど部下らに愛されフォローされながらやっていけるリーダー」のようなロールモデルのヴァリエーションがない……ゆえに、管理職につかないかと女性スタッフに打診をしても自分に務まるのかという不安感のほうが大きく、「5回は説得しなければYESをもらえない」、とのこと。
「女性のリーダー」にまつわるあれこれを聞いて、やはり考えるのが高市早苗首相のことです。就任後すぐの「ワークライフバランスという言葉を捨てる」発言が示すように、旧来のおじさんだけが許されてきた「ライフ」を捨てることを、女性が自ら率先してやらねばきっとリーダーとして許されない(と思ってしまう)のだろうな、と。もちろん高市首相に反対だし、トランプの横でピョンピョンにしろ、ここ数日の「台湾有事」発言にしろ、報道を見るたび勘弁してくれやと思うけど、初の女性首相という重責。男性以上にしんどいだろうなとも正直思います。
そんなことを考えていると、形式的にでもジャケットを着ておかないといけないというのも、遠からずつながっているような気がするのです。そういや最近ネットニュースによると、高市首相の着ているスーツやカバンを真似する「サナ活」が流行ってるのだとか。そんなの絶対嘘だろって思うけど、女性が男性優位な社会の中でサバイブする手段が「サナのようになる!」にますますなったら最悪だな〜と思っている今日です。
(浪花)
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