試合に負けたらなぜ坊主?サッカー部の謎ルール10選
(2023/9/12)
「負けたら坊主な」と言う監督に、「勝ったらお前が坊主な」とは言い返せなかった学生時代。13年間のサッカー人生を思い返すと、理不尽な出来事を数多く経験したように思います。『仕事文脈vol.23』「伝統常識一旦解体」の企画に先がけて、今回は幼稚園から高校卒業までサッカーをやってきたスタッフの椋本が、10個のエピソードを紹介します。
〈幼稚園〉
謎ルール①
チーム分けがじゃんけんのトリッピ
試合をするとき、上手な子が二人代表で選ばれ、じゃんけんで一人ずつトリッピをしてチームを決めた。当然さいごまで選ばれずに残る子が出てくる。若干5歳にして、チーム内に「選ぶ人/選ばれる人」の力関係ができていた。しかもその関係が、普段の遊びや生活にも反映されていくのだ。こうしてスクールカーストならぬキンダーガーデンカーストが構築されていった。
〈小学生:クラブチーム〉
謎ルール②
吐いても走れ
小学校で所属していたクラブチームは「強いが厳しい」で有名だった。練習では毎回、まず芦花公園を走る。タイムキープされて、何周も何周も走る。そのタイムもかなり厳しく設定されていて、3回連続でタイムを切れないといつまでも走り続けなくてはならない。加入したばかりの子は、みんな泣くか吐く。しかし吐いてもストップウォッチが止まることはない。3時間でも4時間でも、日が落ちてもさいごの一人になっても走らされるのだ。
謎ルール③
一生分怒鳴られ、罵られる
ちょっとパスミスをしただけで、めちゃくちゃ怒鳴られる。しかもそれが罵りだからたまらない。「ヘボ」とか「使えない」とか普通に言われるのだ。最初の頃はいちいち間に受けて落ち込むのだが、一年も怒鳴られ続けていると感覚が麻痺して次第に慣れてくる。言い返しはしないが、不機嫌な顔をして無視するのだ。すると「なんだその態度は!」とさらに怒鳴られる。たぶん、小学生のうちに一生分怒鳴られたと思う。
謎ルール④
試合に負けたら試合会場からグラウンドまで走って帰らされる
練馬の試合会場で負けた時、先発組がチームバスに置いていかれたことがある。監督いわく、烏山のグラウンドまで走って帰れということであった。みんな律儀に走って帰った。そこからまた暗くなるまで練習が続いた。
〈中学生:クラブチーム〉
謎ルール⑤
負けたら坊主
「負けたら坊主」に初めて遭遇したのは中学1年生の頃。ふがいない試合をした帰り、試合会場がある駅前の床屋で先発した11人が全員坊主にさせられた。理不尽すぎて本当に嫌だったが、床屋からひとりまたひとりと丸刈りのチームメイトが出てくるのがなんだかおかしかったことを覚えている。
〈高校生:部活〉
謎ルール⑥
チーム内のカテゴリがランク付けされる
高校の部活は日本でも有数の部員数で、3学年あわせた総勢230名がAチームからLチームまでランク分けされた。しかもカテゴリごとのメンバー表が、学校の玄関のホワイトボードに貼り出されるのだ。序列が全校に可視化されるのである。ランクが下がるほどモチベーションを保つのが難しく、Jリーグの下部チームから来た人でも辞める人が多かった。
謎ルール⑦
連帯責任
先輩がとある事件を起こした。全国大会を控えている時期で、かなりゴタゴタした。どういう事の顛末だったかはもう忘れてしまったが、なぜか部員が全員坊主になったのを覚えている。「連帯責任」というやつだ。これは今でも納得がいっていない。
謎ルール⑧
シャツ出し禁止
プロは普通にシャツを出して試合をしていたが、部活では「だらしない」という理由でシャツインを強要された。みんなシャツを出したい年頃だったため、相手に引っ張られたていで微妙に出したりしていた。そのうちチーム内で「シャツしまえよ」と言ってくる監視員が生まれたりした。
謎ルール⑨
試合前のチームバスではしゃべることも音楽を聴くことも寝ることも禁止
バスのなかでとにかくすることがない。みんな寝てないふりをして寝たり、袖にイヤホンを仕込んで音楽を聴いたりと、無駄なスキルが上達した。
謎ルール⑩
負けたらキックされる
高校時代、ついに体罰が始まった。しかも普通に親御さんが見ているところで。チーム内には「蹴られやすい人」とか「殴られやすい人」というのがいて、たいていその人のみが標的になる。ちなみに自分は手を出されないタイプだった。
(椋本)
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