from tbtbスタッフマガジン

女性、育児、フリーランス from 滋賀 #01 

(2024/12/4)

このたびタバブックスで編集あれこれをやらせていただくことになりました、浪花と申します。

ふだんは関西圏を拠点にフリーランスの編集者・ライターとして働いています。なので、タバブックスの仕事は基本リモート。宮川さんと毎日始終Slackでやりとりをしながら、いまは今月12月に出る予定の本をつくっています(また告知します!)。

 

ブログを書くにあたり、テーマどうしようかな(ほかの人のブログを読むと結構ちゃんと設定してある)、K-popとか超好きなんだけどダメかな……など考えつつ、やはり仕事の話題を中心に社会への愚痴を書くことにしました。タイトルの「女性、育児、フリーランス」は、『仕事文脈 vol.19』(2021年11月)で担当したインタビュー企画と同じものです。当時、わたし自身に子どもが生まれて3年。とにかく生きづらさを感じていました。なんでこんなに「お子さん小さいと出かけるのとか難しいですよね〜」とか言われるの? 子ども小さいと仕事できない人と思われるのなんで? しかも夫はそんなこと言われないし、仕事も減らずに済むの、マジでおかしくない? ふつうに妊娠、出産引き受けて、子どものケアもやっていたら男性と同じレベルで働き、稼ぐとかできないんだが……? キャリア、まったく積みあがってかないし。

 

もちろん、フリーランスっていう不安定な働き方だからなのかなと、見直したりもしました。固定給、ボーナスがもらえる仕事に就こう!と就活もしました。けれど履歴書がなんか右肩あがりじゃない(編プロ勤務→書店員兼フリーの編集者→そのあいだに3年間のポーランド滞在)からか、扶養家族に丸をつけて「子ども、いますよ!」と示しているのが世の中的には「あっ(察し)」って感じなのか、ぜんぜんうまくいかない。採用してくれた会社もあったけど、方針として「ママであること第一♡」があまりに強すぎて、いやわたしはママであることより、自分が自分でいられること第一なんですよねと思い、出勤1日で辞めることになりました。

 

結局、育児において家庭内ワンオペになりやすい状況で自由に時間を設定し、働くことなど到底難しく(あととにかく通勤・電車移動が苦手)、どこかに勤めることはなく今に至ります。まだまだ家父長制が根強く、稼ぎ手として社会に打席が用意されている男性にくらべ、育児や家事、介護などケア労働を担わざるを得ない女性たちのかなりの割合を、非正規雇用が占めるといいます。

(参考)男性22.7%、女性53.5%は非正規…就業者の正規・非正規率をさぐる(2024年公開版)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/0a9bf9df3000368b97873cacf80f264e929046f8

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(参考記事より、女性の年齢別正規・非正規雇用率の図。しかしわたしのような自営業者はふくまれていません)

社会保障もすくなく、経済的にも不安定。でも、子どもの急な休み対応とか、保育園の預かり時間を考えると、どこかに勤めるより気持ちは楽。たまに「自分で仕事をつくってやれるっていいね!」と羨ましがられるけど、そのぶん自己責任も強いんですよォ……。やりがいや仕方なさ、不安定さと自由さに挟まれがちな「女性、育児、フリーランス」状況の人に話を聞いてみたい、というのがこの企画でした。ちなみに、タバブックスなら合うテーマだ!と勝手に持ち込んだ企画で、これをきっかけに『仕事文脈』の編集メンバーに入れてもらいました。

 
そこから早3年が経ち、かかわった『仕事文脈』も、12月3日発売のvol.25で6冊目です。わたし自身も20代から30代になり、子どももまたひとり生まれました。相変わらず不安定な状況に陥りやすい女性、育児、フリーランスの名を背負いながら、上がったり下がったりしつつなんとかやっています。

宮川さんよりいただいたワード「from 関西」もタイトルに入れたので、いち地方でのリアルなあれこれを綴っていけたらと思います。よろしくお願いいたします。

(浪花)

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