女性、育児、フリーランス from 滋賀 #09 「差別してる人を差別してないかな」
(2025/8/6)
いやー7月の参議院選、お疲れ様でした! 滋賀選挙区では自民と国民(民主党を一本化するとのことで、今回立憲が退きました)の接戦となり、結局自民が当選しました。変わらなさにうんざりもするけど、参政党だったらかなり落ち込んでいたと思うのでマシかも……。とはいえお隣の京都は「ひめゆり発言」の西田昌司が4選ですよ。許せない(怒りマーク)。参政党は14議席と拡大。さや、あれマジなんですか? 核武装は安上がり「お母さん」いらないですガチで(怒りマーク×1億)。
と、8月になった今も怒りと暗澹たる思いでいっぱい! その一方で、自分はきちんとNOと声を上げたぞ、という実感を得られたのも大きかったです。そのひとつが、女3人でやっているおしゃべりユニット・カニクラブと、弁護士の國本依伸さんでつくった『参政党憲法かわりに読んでみた。』というZINEです。
少しだけ補足すると、カニクラブはふだんから日常の愚痴や本や映画や政治、とにかくあれこれしゃべり続けている仲良しグループで、今年1月には『虎に翼』についてしゃべり倒すZINEをつくりました。そのZINEを文フリ京都で販売した際、買いに来てくださったのが國本さんです(4人で自撮りもしました!)。そこからお付き合いがあり、『仕事文脈』vol.26の特集「みんなで生き残る」では、「法によってみんなで生き残ることはできるのか?」というインタビューを掲載させていただきました。そして今回、國本さんより「非法律家のみなさんが、参政党の憲法草案を読んだとき、どんな感想を持つのか聞きたい」と連絡をいただき、よっしゃ読むぞ!と集まった末にできたのがこの『参政党憲法かわりに読んでみた。』です。
収録→文字起こし→文章修正→レイアウト→印刷までを計6日でやった52P。祇園祭の宵山に浮かれる四条烏丸のキンコーズで、せっせと刷りました。お付き合いのある書店さんに少しだけ配ってもらい、投票日前日・当日に開催された「ふたばZINEフェス」(神戸)では、タバブックスのブースで販売もさせていただきました。ZINEだけでは届ける限界があるので、國本さんのnoteでは全文無料公開していただき、こちらもたくさん読まれたそうです。
國本さんのnoteでは引き続き公開していただいています↓
https://note.com/yorinobu/n/n3594d37b69a5
https://note.com/yorinobu/n/ndc9b76d15cbe
https://note.com/yorinobu/n/n203987f634ed
書店さんから「増刷したらうちにもぜひ!」と何件も連絡いただいたり、感想をSNSに書いてくださった方がいたり、読んだと声をかけてくださる方もいたり……と、連帯が可視化されたようで励まされました。つくってよかった!と希望を感じていたところ、SNSで一連のポストを見ていた友人からLINEが。「どこの政党がいいの?」と。政治や政党についてよくわからないから意見を聞きたい、なぜ今こんな取り組みをしているのか気になったとのことです。
やりとりの中で中心となった話題はいわゆる「外国人問題」というやつです。今回の参院選で、最も差別対象になったのが外国籍の人たちです。「日本人ファースト」はあきらかな差別。政党が中心になり、日本国籍じゃない、あるいは外国人というだけで排除してもいいと市井の人まで声高に主張し始める構造が生み出されたと思います。
そんな政党には入れないのはもちろん、少しでも差別に反対したいという思いでやっているということを、いろんな理由を添えて説明しました。そのあとの、友人とのやりとりが下記。
友人「あかねはそっちの差別したがる人の話を聞いた?」
うち「ごめん、言ってる意味がわからない」
友人「差別って言葉は悪いよ」
うち「差別って言葉は悪いってどういうこと?」
友人「差別って言葉を使うこと自体が悪いかも」
「差別してると思ってないかも」
うち「(差別って言葉を使うこと)いや悪くないでしょ」
「自覚ないから許すってダメだよ」
友人「違うって」
「あかねが勝手に差別だと思ってるということ」
「あかねは差別する人を差別してないかなってこと」
どうですか!? なんかもう、分かり合えなさに気が狂いそうになりました……まさか「差別する人を差別している」と言われるとは……。おしゃべりで突破できること、反対にどうしてもできないことにどう向き合うかについては、また後日談として発表する予定です。そんな感じで、今月のブログはここまで。さよーならまたいつか!
(浪花)
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