もうすぐ参議院選挙! 投票前に読みたいタバブックスの本5選
(2025/7/8)
7月20日(日)は参議院議員通常選挙。これから6年も任期につく議員を選ぶ重要な選挙ですが、依然として世論調査では自民党が「優勢」、さらに「日本人ファースト」を掲げる参政党が支持率を伸ばしており危機感を抱いています。
人権を蔑ろにし、差別、排外主義を推し進めるような政党に1議席も許してはいけない。そんな強い気持ちをもって、投票前におすすめの本を5冊紹介します!(編集浪花)
仕事文脈 vol.26 特集1「みんなで生き残る」
編 仕事文脈編集部
あらゆることを勝ち負けで考えてしまったり、自らの生きづらさをより弱い立場にいる人のせいにしたり、他者の存在を無意識に周縁化したり。誰かを蹴落としたり、あるいはみんなで我慢したりするのではなく、社会の仕組みを見直し、「みんな」で生き残ることをめざすためにつくりました。
経済、アクティビズム、法、労働、クリエイティブ、また「みんな」とは誰か。あらゆる視点で多くの声を集めています。みんなで生き残るからほど遠い政策・思想を掲げる政党が目立つ今、改めて考えたいテーマです。
同じく『仕事文脈』では過去に「政治、日々」(2023年vol.21)という特集も。日々の中で政治について考え、アクションするヒントもたくさん載っています。こちらも合わせてどうぞ!
若者の戦争と政治
20代50人に聞く実感、教育、アクション
編 仕事文脈編集部
1994〜2004年生まれ、刊行当時20代の50人に、戦争や政治と聞いて思い浮かべるもの、また小学校〜高校までに学んだ戦争や政治について印象に残っていることを聞き、まとめた1冊。教育や社会に大きな影響を及ぼした第二次安倍政権下で義務教育期を過ごしたかれらの、率直な声が集まっています。
・政治についていくにはエネルギーが必要で、日々の生活に精いっぱいのときには簡単ではない(22歳)
・選挙権を得た年に、有権者として初めて公約をチェックした際、自分の住んでいる地域では若者にとって魅力的な候補者がほとんどいないことに驚きました(26歳)
・政治についてもっと声を上げていい、批判して、何なら怒ってもいい、私たちにはその権利があるということをもう少し早く知っておきたかった(29歳)
-本文より
いつの時代も「ツケ」は残され、生きづらさとして払わざるを得ないのは若い世代。ひどい政治状況をそのままにしてきた大人世代にこそ、読んでほしい1冊です。
女性議員を増やしたい ZINE
著 濵田真里
世界経済フォーラム(WEF)が報告した2025年のジェンダーギャップ指数で、日本は148ヶ国中118位。政治分野では昨年よりさらに下がり、後退しています。
圧倒的に女性議員が少ない背景にあるのは、
・政治は男性のものという意識があること
・家事や子育てや介護などを女性が負担していること
・有権者などからの悪質なハラスメント
などなど。
女性候補者をサポートする方法や、選挙ボランティアのやり方など、実践的なヒントも掲載しています。女性やノンバイナリーの議員を増やし、「政治は男性のもの」という意識を変えていきたい。投票前、マストな1冊です!
家父長制はいらない
「仕事文脈」セレクション
編 仕事文脈編集部
格差、差別、バッシング、家族、戸籍……色んなひとが困っているけど、これって全部同じ問題=家父長制なんじゃないか?
こうした問いを起点とし、『仕事文脈』に近年掲載した記事の中からフェミニズム、ジェンダー、セクシュアリティにまつわる文章を再編集した1冊です。
未だ選択的夫婦別姓や同性婚が認められないことや、男性政治家が声高に「高齢の女性は子どもが産めない」と言い、子どもが産めない女性は役立たないと言わんばかりの主張の内側には、強固な家父長制があるのではないでしょうか。この本が、あらゆる場面のモヤモヤと政治イシューを結びつけるきっかけになるはずです。
セーファースペース(ZINE)
編著 皆本夏樹+gasi editorial
書店やアート・音楽空間などを「セーファースペース」にしようとする動きが増え、そうした場が注目されています。このZINEでは、ジェンダー、セクシュアリティ、障害の有無、人種、国籍、階級、年齢、能力などに基づく差別や抑圧、ハラスメントや暴力をできるだけゼロに近づけ、さまざまな属性を持つ人がお互いを尊重し合える空間をつくる試みを紹介しています。
市民や民間による自発的な動きは増えつつありますが、政治の世界でも認識し、セーファーな場づくりを進めてほしいと切に願います。ZINEでさまざまな実践を知り、あらゆる空間をより安全にしていきましょう!
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