翻訳者を友人に持つことの醍醐味(前編)/小山内園子
韓国を代表するエッセイスト2人が、昨年共著でエッセイ集を発表した。その中に互いのことを綴る章が置かれていて、読みながらうなった。友達を、なんて冷静に見ているんだ! 過剰な思い入れは一切感じられないながら、 … 続きを読む
おもしろいことを、おもしろいままに本にして、きもちよくお届けする。そんな出版社をめざしています。
韓国を代表するエッセイスト2人が、昨年共著でエッセイ集を発表した。その中に互いのことを綴る章が置かれていて、読みながらうなった。友達を、なんて冷静に見ているんだ! 過剰な思い入れは一切感じられないながら、 … 続きを読む
前編はこちらです。 * * * たとえばカフカ『変身』を読む授業があった。ある日一匹の毒虫に変身してしまったグレーゴル・ザムザの話。どんな虫なのか、その見た目については、冒頭で「あおむけに寝ている背中は鎧のように固く、 … 続きを読む
小学生のあみ子は、お腹の中の子を亡くし、悲しみに耽っていた母親の回復を祝おうとして、弟のお墓をつくることにする。木の立て札に、習字がうまい友だちののり君に「一生のお願い」と頼んで「弟の墓」と字を書いてもらう。家に帰り、 … 続きを読む
前編はこちらです。 * * * ひとさまの文章を預かっている以上、自分の考えでは言葉をつづれないのである。「自分の文章」の、手足を縛ること。私の場合、それが翻訳作業の最大の特徴だ。「自分の文章」ならばしなくてすむ苦労が … 続きを読む
主人公は今、両腕を後ろ手に縛られて、両足も足首のあたりで結束されている。 時は夜明け前。朝露に濡れた雑草が頬をなぶって不快な触感をもたらし、後頭部は何かを押しつけられているようにキリキリ痛む ――と、ここまできて私の視 … 続きを読む