翻訳ができる体(前編)/小山内園子
翻訳作業は基本、座ってばかりである。「座業」という言葉があるけれど、まさにそれ。デスクトップのパソコンにキーボード、紙の束、辞書、辞書アプリが入っているiPad、「いちばん使いやすい色鉛筆」と愛用してい … 続きを読む
おもしろいことを、おもしろいままに本にして、きもちよくお届けする。そんな出版社をめざしています。
翻訳作業は基本、座ってばかりである。「座業」という言葉があるけれど、まさにそれ。デスクトップのパソコンにキーボード、紙の束、辞書、辞書アプリが入っているiPad、「いちばん使いやすい色鉛筆」と愛用してい … 続きを読む
前編はこちらです ** 時間と距離を置こうとして以来、不思議な感覚に襲われるようになった。言葉を信じられなくなったのだ。どんな言葉にも実体を感じられず、どれもが虚偽のように思え、虚無感に襲われた。他人の話だけでなく、自 … 続きを読む
小説を訳していると、どうしても時間の流れが気になってしまう。2024年に拙訳した作品はどれも、止まっているかのような時間の中にいる主人公たちを描いたものだった。 キム・グミ『敬愛の心』では、火災事件で大 … 続きを読む
前編はこちらです *** 「同意なしに、誰かの何かを利用する」という行為は、少し大げさにいえば尊厳を踏みにじる行為だと私は思っている。人の尊厳を犯す可能性は、目を凝らせば日常のそこここにある。翻訳業務も例外ではない。 … 続きを読む
この春は、少しすっきりした気分で迎えた。もう1つの職業である福祉の仕事で、自分の立ち位置が定まったからだ。これまで担当していた「ケアの必要な人をケアする」仕事から、「誰かをケアする人を、ケアする」仕事へ、 … 続きを読む