へんしん不要

へんしん不要〈第22通〉ちょっとだけ欲が出てきた 

(2019/3/26)

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イラスト・題字 のむらあい

封筒_もちい

 

 

こんにちは、ようやく3月になって、めっきり春めいてきましたね。桜も花をつけ始めて、きっとここから満開まではあっという間でしょう。外に出るのが嬉しい季節です。

だからでしょうか、冬の終わりまで焦りに焦っていた気持ちが、今はわりと落ち着いています。相変わらず生活のリズムが不規則だったりはしますが、なんとなく粛々とやっている、という感じです。外に出て打ち合わせをしたり、勉強のために本を読んだり、自分の書いたものを確認したり、じっと原稿を書いたり。気晴らしに散歩に出たり、スプラトゥーンで遊んだりもしています。毎日何かしら手を動かす仕事が発生していて、そういうものたちを一つ一つ消化するうちに一週間が終わっていく。忙しいといえばかなり忙しいのですが、まだ目の前に仕事が行儀よく並んでくれている状態なので、ほどほどの集中を続けられているのだと思います。ひとりで思考の底なし沼にはまっていく時間がない、というのもあるかもしれません。

やることがたくさんあるのは、去年ごろからぼんやりと気配を漂わせていたお仕事のうち、いくつかが輪郭をはっきりさせてきたためです。滞りなく進むかはまだ確証がないにしても、今年はとても忙しくなりそうです(と言ってならなかったら笑ってください)。はたして餅井の少ない体力や気力はついてきてくれるものか。不安だけど、どうにか乗りこなしていくしかない。だから最近は自転車に乗ったりスクワットをしたりして、地味な体力作りに勤しんでいます。ノルマを設けると続かないのが目に見えているので、適当に、余裕があるときだけ……。

 自分でも意外なのですが、最近の私はけっこう向上心があるというか、欲を出しているなという気がします。去年くらいまでは「体力や気力が少ないなりにどうやっていくか」ということをよく考えていました。それが今は「もうちょっとだけ力をつけたいかも」という気持ちになっている。手足を伸ばせる範囲を、もう少しだけ広げてみたい。現状に不満はないし、力のない自分のことをだめだと責めてもいない。今の自分でも、きっと十分にいい。その上で「もうちょっとできたら素敵だな」と思っているのです。

 なので、今月の餅井はだいぶいい感じに過ごしていました。もちろん大変なこともあるし、腹が立ったり悲しかったり不安だったりすることもあるけれど、ほどほどにやる気を出し、そこそこ粛々と日々を送れている。なんというか、明るい低空飛行という感じです。

 できれば来月も再来月もこうであったら嬉しい。……こう書くと、なんとなくうまくいかなさそうな予感がしますね。それでもとりあえず8割くらいの出力で、しばらくはやっていこうと思います。なるべく良い春になりますように。

 もちい

餅井アンナ(もちい・あんな)

1993年宮城県生まれ。ライター。食と性、ジェンダーについての文章を中心に書いています。「wezzy」にて書評・コラムなどを執筆中。食と性のミニコミ『食に淫する』制作。

 

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