へんしん不要

へんしん不要〈第20通〉ゲームの下手さは人生の下手さ 

(2019/1/21)

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イラスト・題字 のむらあい

封筒_もちい

 こんにちは、あけましておめでとうございます。お正月ムードもすっかり消え去って、またおつとめの日々が始まりましたね。新しい年はどうですか? 気分がちょっと変わったりしましたか? それとも、特に変わりはないでしょうか。

 私の方は相変わらず家でじっとりと暗くしています……と思いきや、新年の餅井は珍しくやる気を出しています。新しい仕事の準備が進んでいることもあり(あとは年末年始特有の「仕切り直し」ムードに乗せられて)、お正月はひたすら原稿に集中を注いでいました。ひたすらと言っても一日三時間とか四時間なんですけど……。

 もちろん、頑張りながら適度に休んだり遊んだりもしていました。クリスマス前に同居人がニンテンドースイッチを買ってくれたので、スマブラとスプラトゥーンの対戦をよくしています。餅井は子ども時代からプレステ派だったので、任天堂のみんなで遊ぶタイプのゲームはけっこう新鮮です。

  これは人と一緒にやってみるまで気がつかなかったことなのですが、私はかなりゲームが下手なようです(「なんかよく死ぬな」とは思っていた)。まず第一に突っ込んでいきすぎ。後先を考えなさすぎ。そしてガード・回避・一時撤退という選択があることを忘れすぎ。ドーンと突っ込んでいってドーンと死ぬ、完全に鉄砲玉です。実生活ではこんなに行きつ戻りつしてばかりいるのに……。

 ゲームの遊び方には性格が出ると思います。近頃の私はだいぶ慎重に暮らしているけれど、こういう鉄砲玉のような気質もたしかに持っているのです。むしろその勢いが自分のキャパシティを上回ってしまうという自覚があるからこそ、つとめて慎重でいようとしている気がします。思い返せば昔の自分はもっと活動的というか血気盛んというか、後先を考えずに色々なことに手を出していました。そして必ずやってくるエネルギー切れ……。ゲームの下手さは人生の下手さ。鉄砲玉だった自分のことを、この年末久しぶりに思い出しました。

  私にとって去年一年は、足場を崩さないようにどうにかこうにか耐える期間でした。自分の足元の様子を伺いつつ、これはキャパオーバーかも、と見送った機会もたくさんあります。それはそれで「今はちょっと無理です」と人に伝える訓練になったし、引き際もそこそこ心得ることができたので、様子見に徹する時期も絶対に必要だったとは思っています。だけど今年は去年より、もう少しだけ足を踏み出してみたい。失敗するかもしれないけれど、その都度立て直す技術は身についてきたと思うから。

  と思って頑張って原稿を書いていたら、案の定オーバーヒートしてしまい三日ほど寝込みました。やっぱりエネルギー出力の適正値が把握できていない……。ですが、できれば今年こそはちょうどいい値を掴みにいけたらいいなと思います。飛ばしすぎず、怖がりすぎず、ほどほどに、でもちょっとだけ勢いをつけて頑張りたい。スマブラとスプラトゥーンも、もう少し上手くなりたいところです。

 

餅井アンナ(もちい・あんな)

1993年宮城県生まれ。ライター。食と性、ジェンダーについての文章を中心に書いています。「wezzy」にて書評・コラムなどを執筆中。食と性のミニコミ『食に淫する』制作。

 

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